2015年4月9日木曜日

書庫(30):東郷茂徳「時代の一面」附録の短歌(I)より:七月十九日、イセに

梅雨は晴れ熱の氣の空に充つ狭心症状亦頻りなり(七月八日)

三年前空襲來を叫びたる声も聞きたり今日のラヂオに(七月十三日)

久し振りラヂオに聞く童謡に過(い)にし信濃の住居偲びぬ

外を見よ此のさばきもて戰さをぞ無くし得べしとはかなきのぞみ

我國の爲めとしあれば苦しみも堪えて忍ばむひた苦しとも

苦しみも恥も身にしめて忍ぶべし我國民の爲めなりとせば

すめろぎに凡てを捧げまつらむと定めし心今も揺がず

世の中の有爲転変は定めなりかまへてこれにこだわらぬぞよき

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