2015年2月11日水曜日

書庫(19):東郷茂徳「時代の一面」附録の短歌(Ⅰ)より:四月廿五日、イセに

二年を住み慣れし身にはあれど淋しみ襲ふ春の日永に

日毎日毎と會ひたるものを此のしばし會はねば淋し一とせ覚ゆ

百とせの永きにとに非ず一月の過ぎ行くことはあわたゞしくもあれ

人の世は束の間なるを世の人は永年の如くたのみたりける

我さとのつなぎをたちしくろがねの八重の門(と)高く立ち繞らせば

くろがねの八重の門如何に固くとも魂の通ひ路などか絶ゑなむ

軒ばなる雀にもがな麻布なる児等と遊びて後歸りこむ

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