2015年2月13日金曜日

書庫(20):東郷茂徳「時代の一面」附録の短歌(Ⅰ)より:五月十日、イセに

敷島の大和島根はとことわにしほひしほみちゆるぐことなし

(夢に)
み光は高千穂の嶺に降り立ちて大和島根をあかに照らしぬ

まな子たちわれ今行くもとことわに我は死にせず我れ活きてあり

梅の花咲きて散りなばさくら花つぎて咲くべし大和島根は

いざ児等よ戦ふ勿れ戦はば勝つべきものぞゆめな忘れそ

ゆとりある剣士は敵を誘ひて手出さしめたる后にこそ撃つ

手出さしむ術も自衛の為なりと現状維持の政治家は言ふ

春や来ぬ牢屋(ひとや)の庭の木の蔭に山吹の花咲きいでにけり

地に冩る影をのみ見て天の原大なる宇宙をふりさけ見ずや

地に充てる花も小鳥もいみじきや進化の跡をたどり探れば

天に星地には進化のすがた見て貴きものを感ぜずや君

いつもしも苦しみの果と思ふ時神の来りて救ひたまひぬ

軽薄な人間共がいやになりぬ生き物よりも石にも木にも

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